10大勝利ニュース

 本日、IWHCから今年の女性の健康と権利分野での10大勝利ニュースが発表されました。

なお、これまでのものは、 http://d.hatena.ne.jp/allies/で紹介しています。取り急ぎ、報告します。細かい分析等は、追って、または、1月17日(土)17時45分から文京区民センターにて、AWID国際フォーラムの参加報告会をいたしますので、そのときに報告したいと思います。

>> WordまたはPDFファイルをダウンロードできます。

http://www.iwhc.org/index.php?option=com_content&task=view&id=3512&Itemid=655

1. 次の米政府は、女性と女児に希望を与えます。

バラク・オバマが第44代アメリカ合州国大統領として選ばれたことにより、人権を守り、すべて人のために健康を促進され、多くの人の将来を変える機会がもたらされます。世界中の女性の健康と権利の擁護団体は、興奮と希望と表明しました。

今後に向けて: 多く人にとって、アメリカ合州国が直面する最も緊急な課題は金融危機対策と、イラクアフガニスタンでの戦争ですが、世界平和の実現には、正当で健康的な生活へのあらゆる女性の権利を確実なものにすることが必要です。いまこそオバマ政府が米国の信頼性とリーダーシップを復旧できる機会です。その手始めに、すべての女性と女児が性行為、妊娠と出産について彼女自身の選択をするために必要な情報とサービスを保障し、HIV/エイズを含む性感染症を彼女たちが予防できるよう、資金提供とサポートを提供すべきでしょう。国際女性健康連合(IWHC)は、新政権のための女性の権利と健康の計画を概説した最初の団体の一つで、女性と女児のことを優先課題とするよう、政権移行チームや他の権利擁護団体とともに活動しています。

2. 新しい 「メキシコシティー政策」は、包括的な性教育の道を開きます。


今年2008年8月に開催された第17回国際エイズ会議に先立ち、ラテンアメリカカリブ海地域中の保健・教育大臣たちは、包括的な性教育に投資し、地域のHIV/エイズへの対策を強化するために保健サービスを利用しやすくすることを誓いました。ラテンアメリカカリブ海地域の性教育についてのメキシコシティー宣言は、若者に人権、女性の権利と男女平等について教えて、若者が利用しやすいヘルスサービスを保障するためのこれらの約束の要点を概説します。Instituto de Educacion y SaludなどのIWHCパートナーは宣言の作
成に参加しました。そして、この宣言は満場一致で支持されました。大多数の政府は結婚までの禁欲教育プログラム教育を推進する試みを拒否して、最初の草案段階から「性教育」という用語を取り除こうとするブッシュ政権の初期の試みを拒否しました。

今後に向けて:IWHCやメキシコ性教育協会などの非政府組織は、各国が2015年までに包括的な性教育を提供する学校の数を劇的に増やすことを含むという政府の責務を果たすのを援助するために、全米保健機構とともに活動しています。

3. 米国民は、妊娠中絶へのアクセスを制限する試みを跳ね返しました。


2008年11月、米国有権者は、安全な妊娠中絶へのアクセスを制限するための投票対象になった法案を圧倒的多数で拒絶しました。 サウスダコタ州でのほぼ全面的な妊娠中絶禁止の第2の
試みは、10%差で否決されました。コロラド州では、73%の有権者は、結果としてすべての妊娠中絶を禁止することを意味する、受精卵に権利を付与する法案を拒絶しました。カリフォルニア州では、妊娠中絶を求める若者は、親、保護者または代理できる大人が許可をした後、48時間以上置かなければならないという法案を有権者は否決しました。

世界のほかの地域でも、安全な妊娠中絶サービスの合法化にむけて着実な重要な成果がありました。2008年4月に、欧州評議会は、妊娠中絶を安全で合法とするよう、全47の加盟国を求めました。ウルグアイ議会も包括的なセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス法案を承認しました。その法案はIWHCパートナーのMujer y Salud Mujer y Salud en Uruguayに支援されて
います。その法案では12週目まで妊娠中絶を合法化しました。この法案はウルグアイ大統領によって拒否権発動がされましたが、それは今回と同様の法案が2002年に提案されたときよりもかなりの進展がありました。

今後に向けて:サウスダコタ州では、プロライフ派による度重なる失敗にもかかわらず、プロライフ派は2010年に妊娠中絶禁止法を議会通過させようと主張しています。また、コロラド州で否決された受精卵に権利を付与するという法案と類似した法案を17州で推進しようと新組織が設立されました。これらのキャンペーンによって多くの犠牲をもたらされ、望まない妊娠を防ぎ、女性の権利を支持できるセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスプログラムを作るという本来の優先されるべき課題に、医療保険従事者や権利擁護者が集中できなくなります。ハーヴァード公衆衛生大学とCenter
for Reproductive Rightsの研究者による最近の研究によると、妊娠中絶法を自由化するより広い世界的な傾向と離れてしまっている。

4. インド政府は、予防のパワーを女性の手に渡します。

今年、インドの全国エイズコントロール機構(NACO)はおよそ150万個の女性用コンドームを4州のセックスワーカーに提供することになっています。そして、女性用コンドームは現在利用できる唯一の女性が主導権をもてるHIV予防技術です。世界的な女性用コンドームの主要な製造業者のFemale Health社は、初めてインドでコンドームを製造するために
Hindustan Latex社と協力し、そのことで生産コストを半分削減します。

NACOの画期的なイニシアティブは2007年のプログラムに基づいています。そして、それは50万個の女性用コンドームをセックスワーカーと主婦に配布しました。60,000人の女性についての一年間の研究論文でこの女性たちの60%が一度ならずコンドームを購入することが明らかになり、98%は快適であるとわかりました。大多数の新規HIV感染が避妊具を使わない性交渉によって起きている条件の下、このプログラムはインドで毎年新規感染者のほぼ40%のを占める女性たちの中での新規感染を予防するために非常に大きな可能性があります。

今後に向けて:女性用コンドームは116カ国で利用でき、公共部門プログラムは90カ国以上で進行中です。しかし、そのプログラムの規模は小さいです。2007年に Female Health社はおよそ2600万のコンドー
ムを配布しました。アジア、アフリカとラテンアメリカの15歳から49歳の女性たちの100人に1人に該当する数です。これは、昨年全世界的ドナーから供給された男性のコンドームの数が31億であること対照をなします。「Prevention Now!」キャン
ペーン、国連人口基金の「Global Female Condom Initiative」とオランダ外務省は、より広く女性用コンドームを利用できるように取り組んでいます。IWHCは女性用コンドームへのアクセスを増やすために国際機関、ドナーや私たちのパートナー組織と共働しています。カメルーンでは、IWHCのパートナー組織である、The Society for Women and AIDS in Africa のカメルー
支部-が、農村地帯の居住者を含め、女性たちが女性用コンドームへのアクセスを継続できることを確実にする国家戦略的計画のアドボカシーをしています。今月、米食品医薬品局(FDA)諮問委員会は、満場一致でFemale Health社の第二
世代の女性用コンドーム(FC2 Female Condom)を承認することを票決しました。

5. クリントングローバルイニシアティブは、思春期の少女の課題を優先させます

IWHCとIWHCの長年のパートナーであるGirl's Power Initiative(GPI)は、思春期の少女たちの健康と権利の専門者として9月に開催されたClinton Global Initiative (CGI)の年次総会に参加しまし
た。GPI共同創設者のBene Madunaguさんは、包括的な性教育プログラムを必要としている世界中の約20億人の若者の緊急のニーズについて話しました。このような若者のほとんどは途上国に住んでおり、そこでは7人に1人の若い女性たちが15歳以前に結婚し、HIV/AIDSとともに生きる15歳から24歳という若い人たちの約6割が女性です。

CGI年次総会は、国、政府や財界の指導者、学者やMadunaguのような市民社会のリーダーたちが緊急の世界的課題を討議して、解決に関与させるフォーラムです。セッションの一部として、CGI参加者は、焦点になっている課題の一つ以上について行動への誓約をするよう求められます。IWHC とGPIは、思春期の少女たちの権利と健康を確保するという誓
約をしました。

今後に向けて: 今後2年間、IWHCは若者のための教育とヘルスサービスが人権、男女平等、健康とセクシュアリティを統合するよう、ナイジェリア、カメルーンパキスタン、ブラジル、ペルーとメキシコでほぼ100万ドルを19の組織に投資します。同時に、IWHCは100人の若者たちが権利擁護者になれるよう訓練して、支えます。GPIは、約100万人の若者が健康と権利についての情報と教育に手が届くようナイジェリアの4つの州で教育当局と協力し続けます。

6. 女性の擁護団体は、エクアドル憲法の進歩を確実なものとします。


1年間の交渉の末、エクアドル憲法は、いまや、若者が性教育を受けなければならず、政府はセクシュアル・リプロダクティブヘルスサービスを人々に提供する義務があると記載されています。9月に合意された新憲法の個人の完全性に対する権利は、セクシュアリティ性的指向、生殖について自由で、情報に基づいた、自発的な、責任ある決定をする権利を含むとされています。また新憲法には政教分離が宣言され、女性に対する暴力と性的指向に基づくものも含めて差別を防止する新しい条項があります。

IWHCからの支持を得て、entro Ecuatoriano para la Promocion Accion de la
Mujer (CEPAM-Quito)などの権利擁護団体は、新しい憲法でのこれらの勝利を確保するために、疲れを忘れて活動しました。CEPAM-Quitのスタッフは、セクシュアル・リプロダクティブライツを擁護するためにキートとおよそ片道400マイル離れた憲法制定議会の本部があるMontecristiまで数え切れないほど足を運びました。

今後に向けて: エクアドルの大統領(ラファエルコレア)は、妊娠中絶と同性婚の合法化に反対です。CEPAM-キートなどの権利擁護団体は、同性カップルによる結婚と養子縁組の禁止などの有害な言語を防げませんでした。CEPAM-キートは、前進を保護して、更なる反動を防ぐために、エクアドルで他の女性団体と共同して活動しています。

7. コロンビア最高裁は科学的で、女性の権利を支援する判断をした。

6月に、コロンビア最高裁判所は、女性がすべての安全で効果的な避妊方法にアクセスできる権利にしたがって、セクシュアル・リプロダクティブヘルスサービス提供者であるProfamiliaが緊急避妊(EC)を輸入して、配布し続けることができると決定しました。

妊娠中絶に反対の市民は、2000年の政府による緊急避妊の認可に異議を述べました。そして、緊急避妊が「中絶的で」、コロンビア市民の生きる権利を侵害したと主張しました。それでも、科学的な専門者は、緊急避妊が妊娠中絶を引き起こすものではないと繰り返し確認しました。 実際、10月にInternational Consortium for Emergency
ContraceptionとInternational Federation of Gynecology & Obstetricsは、着床や受精が起きる前に機能することで緊急避妊が妊娠を防ぐことを確認する、新しい声明を発表しました。

今後に向けて: 2000年以降、Profamiliaはクリニックのネットワークを通して、緊急避妊をコロンビア市民に提供してきました。それでも、緊急避妊が成功した避妊を伴わない性交渉の72時間以内にされなければならないことを考えれば、コロンビアの緊急避妊法がいまだに処方箋を求めていますが、これは緊急避妊の利用にとっての大きな障壁になっています。Profamiliaは、予約なしで女性たちに緊急避妊を提供することでこの障壁を克服しようと取り組んできました。望まない妊娠をできるだけ多く防ぐためには、政府が、医者の処方なしで緊急避妊薬の販売を許可して、レイプの被害にあった女性がタイムリーな方法で緊急避妊にアクセスできるよう保障し、緊急避妊への若者の権利を認める法律と政策を制定すねことが必要です。Profamiliaの事務局長Maria
Isabel Plataは、IWHCの理事会のメンバーです。

8. コネティカット、 コロンビアなどは、依然としてセクシュアルライツを強く支持しています。

今年、コネティカット州同性カップル法律婚を認める、マサチューセッツ州の仲間になりました。法律婚によって、1,000以上の社会保障と保険金を含む、権利と保護と病院での面会権が与えられました。

国際的に、同性婚南アフリカなどの6カ国で認められているだけです。今年、コロンビア州の裁判所は、同性カップルを除外することが非差別と人間の尊厳の原則に違反すると認め、年金給付を同性のパートナーに適用できるよう制度を拡大しました。今月(12月)始め、66か国の政府は国連総会で、国際的な人権保護が性的指向性自認にも及ぶことを確認する画期的な声明を支持しました。レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、transgenderの人々に対する権利侵害を非難する記載が国連総会で発表されたことは最初です。

今後に向けて:11月には、カリフォルニア有権者は僅差でProposition 8を承認し、結婚の定義を男女間のものに制限するよう憲法を改正して、同性婚を認めた初期の州の最高裁判所判決を覆してしまいました。このような決定によって国中で平和的な抗議と徹夜の祈りが起き、Proposition 8を覆すために3つの訴訟が提起されました。世界的には、IWHCの
パートナーは、保守的な反動に直面しながらもセクシュアル・ライツを推進しています。たとえば、International Centre for Reproductive Health and Sexual Rights in Nigeria
は、ナイジェリアのレスビアン、ゲイ、バイセクシャルトランスジェンダークィア、クェッショニング、インターセックスのコミュニティグループに対する、いくつかのメディアグループによる偏った攻撃と闘うため、他のアフリカのフェミニストとともに現在活動しています。

9. 米国の州政府は、イデオロギーより若者の健康を優先させます

2008年に、各州政府は禁欲教育プログラムプログラムは効果がないという研究と評価が繰り返し示してきた結果を認めて、連邦政府の結婚までの禁欲限定教育プログラム(タイトルV)に参加することを拒否している州の数は25に達しました。

3年前、カリフォルニア州はTitle V連邦資金を拒絶する最初の州になりました。そしてメイン州が続きました。今日、何百万ドルのTitle V資金は、多くの州にとって経済的に困難な時期の
中、特別に重要な州によって否決されています。

今後に向けて:州から反対にもかかわらず、連邦議会は少なくとももう一年以上Title Vを延長することを可決するかもしれません。次期大統領オバマは、学校での
「年齢相応の」「科学に基づく」性教育を繰り返し要求しました。米連邦政府と州にとっては、現在、若者たちが自分の身体と健康について情報に基づいた選択をできるために必要な包括的な性教育を支援する、州や連邦のプログラムを開発するために共同する新しい機会です。

このアプローチはIWHCやそのパートナーであるカメルーンのFemmes, Sante,
et Developpement en Afrique Sub-Saharienne (FESADE)などのアプローチと一致しています。IWHCの支持で、FESADEのような仲間は、効果的に丁寧な関係を築いて、HIVやその他の性感染症を予防する方法を若者に教えるために、包括的な性教育を提供して、アドボカシーを展開しています。今年、Society for Women and AIDS in Africaは、IWHCをHIV/エイズと闘う注目
すべき成果を残した個人や組織に与える優秀賞を選定しました。

10. イギリスのイスラム女性に結婚生活での平等の権利を与えられた

4年の交渉の後、イギリスのイスラムリーダーたちは、Sharia'h法の下でも夫と妻に平等の権利を与える新しい結婚契約をつくることに成功しました。新しい契約はもはや男性が重婚を実践するのを許さず、女性に離婚を言い出す権利を付与しています。過去には、女性は結婚証明書を書面では取得できず、そのため彼女たちは離婚を言い渡されるとき、財産権を確保することができないことがしばしばありました。

今後に向けて: この変化は、世界中至る所でイスラムのリーダーとコミュニティに向けて強力な例を示したことになります。北ナイジェリアでは、イスラムSharia'h法は、2000年に州のレベルに導入されました。カノウ州に拠点を置く、IWHCパートナーAction
Health Information Project(AHIP)は、コミュニティでの説教と影響力を通して女性のリプロダクティブ・ヘルスを支援するよう、北ナイジェリア中で宗教指導者との関係を築きました。 AHIPは、北ナイジェリアの19
の州の全域で、HIV/エイズ予防と治療と、リプロダクティブ・ヘルスの分野で1,000人以上の宗教指導者を訓練しました。 このリーダーたち各々は、金曜日の会衆の祈りと説教を通して
毎週、平均5,000人と接しています。