今日は1月22日、

アメリカ合州国で、人工妊娠中絶への規制を違法とした、ロウ判決の35周年の記念日にあたります。
同僚のあさとりさんのメッセージをお届けします。

『女性にとって、1月22日の出来事といえば、1973年のアメリカ合州国連邦最高裁判所の、ロウ対ウェイド判決をあげます。
人工妊娠中絶を女性が選んだときに、法によって罰せられないということは大切なことです。
ただでさえ「産めない状況」と「中絶する不安」の二者択一など、とても苦しいことであるのに、どれかを選んで罰が下るなどとはとんでもないことです。男性も自分の身に起きることとして、この機会に想像をたくましくして考えてみてください。
そして、この日本には刑法の堕胎罪がまだ君臨していることに改めて抗議行動を起こしたいものです。奇しくも日本の堕胎罪は100周年なんて何の自慢にもなりませんよね。
あさとり』

35周年を迎えるにあたってのアメリカの最近の流れをまとめて紹介します。
1973年の今日、合州国連邦最高裁判所はいわゆるロウ対ウェード事件において、妊娠中絶を禁止している大部分の法律は、憲法修正第14条のデュープロセス条項で保障された女性の憲法上のプライバシーの権利を侵害している判決しました。
今年、合州国は選挙の年であり、「女性の性と生殖の健康」にとって分岐点になる重要な時期です。思い返せば、ブッシュ共和党政権になってから、女性の性と生殖の健康と権利はより脅かされるようになりました。
女性の性と生殖の健康と権利を制限する考えを持つ裁判官への差し替え、2003年の部分出産中絶禁止法(Partial birth abortion ban act。ただしPartial birth abortionという言葉は医学用語ではありません。)最高裁判所は2007年この法律を支持する判決を出しました。31の州では、後期中絶を禁止する法律が可決され、うち29の州では女性の生命が脅かされるときには中絶を許可するという例外条項を認めていません。さらにロウ対ウェード判決が覆されてしまえば、6つの州では中絶が完全に禁止されてしまいます。
  大多数の合州国の人々は、少なくとも医学的に必要な妊娠中絶を利用する法的な権利を支持しています。(多数決の問題ではありませんが、)73%の人は女性が生命の危機がある場合には中絶を利用できなればならないと考え、70%の人はレイプや近親姦で妊娠した場合には中絶ができるべきと考えています。
最高裁判事も後任がそろそろ必要な時期になり、その判事は次期大統領が任命する可能性が高いです。今こそ、合州国での性と生殖の健康についての包括的なサービスへのアクセスをより前進する時期です。
Source: The Miami Herald, 18 Jan 2008を要約。(1/21/2008のIPPFニュースより)